大分県のコンパルホールから実施報告が届きました。
【 開催日 】平成26年8月16日(土)~17日(日)2日間
【会場 】コンパルホール 1階 文化ホール
【入場者数】シネマトーク含め 延べ1,045名
【 内容 】平成26年度優秀映画鑑賞推進事業「なつかしの映画上映会フィルムマラソン~黒澤映画の世界~」
【入場料 】2日間通し券・前売1,000円(当日1,200円)、当日1回券500円
【上映作品】 Dプログラム
1日目 来場者数662名
①10:00~「天国と地獄」(275名)
※13:00~13:30シネマトーク「黒澤映画の魅力」
衛藤賢史氏(別府大学文学部名誉教授)/石井直子(コンパルホール)
②13:30~「用心棒」(284名) ③16:00~「生きる」(103名)
2日目 来場者数383名
①10:00~「生きる」(133名) ②13:20~「酔いどれ天使」(177名) ③15:30~「用心棒」( 73名)
今年で4度目の開催となった優秀映画鑑賞推進事業。作品の選定は、地域の有識者からなる実行委員会の意見を大きく取り入れており、例年大変好評を得ている。60代以上の方を中心にリピーター率も高く、当館の夏の恒例事業として定着化してきている。
今回は、国内外で今なお高い人気を誇る黒澤明監督のプログラムで実施させていただいた。例年女性のお客様のほうが7:3で多くお越しいただいていたが、今年は男女半々の割合だった。また、客層も幅広く、実施以降初めてお子様連れのお客様にもご来場いただいた。数組お越しいただいたうち、下は小学生のお子様で、2作品ほどご覧いただいた様だった。古い日本映画の上映会に親子連れのお客様がいる光景は大変微笑ましく、会場全体を温かい雰囲気にしてくれた。何より、主催側にとって大きな励みとなった。
監督特集として実施したのは今回初めてだったが、世代を超えてお楽しみいただける大変魅力的なプログラムだったと思われる。
上映スケジュールについて、昨年までは1日限定で実施していたが、定員500席がほぼ満席状態で入場制限をしなければいけないこともあったため、今年は開催日数を増やして集客が分散するよう試みた。来場者からは、「日程に余裕があり、行く日にちを選択できて良かった」「程よい空席があって隣席者を気にせず映画に集中できた」など、概ね好評を得ることができた。年に一度の上映を楽しみにしてくださっている方にとって、快適に映画をご覧いただける環境がいかに大切かを、改めて実感した。
開催日数の変更に伴って、チケットを1日500円から2日間通し券(フリーパス)として1,000円に引き上げて販売した。増額による入場者数の落ち込みがないよう、チケット販売時のスタッフ対応を徹底して行った。結果、チケットの購入者は、良い実績を収めた昨年の563名には達しなかったものの、424名という過去3年間の平均をいく成果を上げることができた。2日間ご来場いただくと4作品全て鑑賞できるような上映スケジュールを組んでいたため、両日お越しいただいた方も約120名と多く、延べ1,045名にお越しいただいた。(1年目は746名、2年目は1,056名、昨年は1,424名。)
アンケートでは、「スケール感と迫力があり面白かった」「大スクリーンで古い映画を見る機会があって嬉しい」「年間で映画上映の企画を増やしてほしい」との声が寄せられた。特筆すべきことは、フィルム上映への関心の高さである。上映の合間に、70代くらいの男性から映写について専門的な質問を受け、映写技師による説明に大変満足された様子だった。フィルム上映会の実施にあたり、今後の展望を持てた嬉しいエピソードだった。また、例年以上にスタッフの接客に対するお褒めの声を多くいただくことができた。
観客の劇場離れが進む昨今、こうしたスタッフの対応を主とした配慮の行き届いた会場づくりに心がけ、市民の皆様に愛される事業に成長していきたい。
当館は、大分市の中心地という良い立地条件にある分、商業地域の活性化の核となる役割を担っている。とりわけ、来場者の多い当事業は大きな期待を持たれており、リピーターの多い点でも一目置かれている。
では、集客の見込める有名どころの監督、作品の上映を選択して実施すればよいのかというと、決してそうではない。中心市街地に単館系映画館 シネマ5があることで既に豊かな映画環境にあるこの地域の方々にとって、作品や監督に頼ることない内容であるかが来場の決め手となる。
年々、地域の有識者との関係が深まっているように感じる。今回、実施後の実行委員会において、「来年はさらに良い企画・運営を委員全体で考案していけるよう、委員会の開催頻度を増やしたい」との要望をいただいた。
今後は、いかに「見たい」と思っていただけるか、地域との連携を強めていき独自のテーマで魅力ある企画を考えていきたい。