沓掛時次郎 遊俠一匹

1966年 東映(京都)
カラー/シネマスコープ/90分

解説

大衆文学の雄である長谷川伸の諸作品は「股旅映画」の原作となっているものが多い。この「沓掛時次郎」も戦前からたびたび映画化されており、異題も含めて8本の作品を数えることができる。中でも、戦後では4作目に当たるこの作品は、屈指の名作として知られているものである。気のいいやくざ、身延の朝吉(渥美清)、やくざ志望の若者、昌太郎(岡崎二朗)のエピソードや迫力ある殺陣シーンなどに「やさしさと怒りの世界」と評される加藤泰監督独自の世界があらわれている。当初加藤は脚本家(鈴木尚之、掛札昌裕)による、原作には登場しない人物の設定に戸惑ったともいわれているが、この二人の存在が物語をより陰影の深いものにしているといえるだろう。彼は「時代劇映画の巨匠」と言われた伊藤大輔の門下、大衆的な物語を特徴的なロー・ポジションで撮影し、豊潤な映像世界を作り上げた。主演の中村錦之助は、1950年代半ばから東映時代劇で活躍した大スター、幅広い芸域と鮮やかな口跡で数々の名作に出演している。

スタッフ

原作
長谷川伸
脚本
鈴木尚之
〃
掛札昌裕
監督
加藤泰
撮影
古谷伸
照明
中山治雄
録音
渡部芳丈
音楽
斎藤一郎
美術
井川徳道

出演者

沓掛時次郎
中村錦之助
おきぬ
池内淳子
太郎吉
中村信二郎
六ツ田の三蔵
東千代之介
お葉
弓恵子
昌太郎
岡崎二朗
身延の朝吉
渥美清