1994年 パイオニアLDC=サンダンス・カンパニー
カラー/アメリカン・ビスタ
モノラル/94分
東京郊外の新興住宅地に住む林海寺家は、父も母も再婚同士、娘はいじめにあって登校拒否、父も会社に出社せず外でぶらぶらしている。そんな娘と父がある日奮起し、おろおろする母を尻目に「何でも屋」を開業したことから家族の新しい展開が始まる。家長としての威厳とはまるで無縁の父親を演じる佐野史郎は、情念よりも「軽さ」を重視するこの映画の空気を体現。また雑誌モデルとして活躍していた佐伯日菜子が、娘のスギナ役で映画デビューを果たした。監督の金子修介とスタッフ陣は、少女漫画の第一人者大島弓子の原作が備える繊細さに対して、乾いたタッチと抽象的なキャメラアングル、そして個性的なキャスティングで挑み、日本の家族像を爽やかに戯画化した。