次郎物語

次郎物語

1987年 西友=学習研究社=キネマ東京
カラー/アメリカン・ビスタ/モノラル/110分

解説

理想主義と自由主義を貫いた教育者、小説家として知られる下村湖人。その自伝的教養小説である同名原作は名作として名高く、これまでに3度映画化されている。1941年の島耕二監督作品、1955年の清水宏監督作品、1960年の野崎正郎監督作品、いずれも佳作となっている。母が病弱のために里子に出されて成長した次郎は、里親のお浜を慕い両親の住む本家にもどっても家族になじめず、衝突をくり返す。旧家の格式を重んじる祖母はそんな次郎を嫌うのだった。ちょうどその頃、父が借金の保証人になったため家が没落し、母は実家に戻り病を癒すことになった。監督の森川時久はこの古典的名作を、当時の社会的な背景を押さえながら丁寧に描き直し、叙情的感銘を導きだしている。次郎が成長していく故郷、その田園風景の美しさと母を演じた高橋恵子の演技が印象的である。

スタッフ

原作
下村湖人
脚本
井出雅人
監督
森川時久
撮影
山崎善弘
照明
加藤松作
録音
木村瑛二
音楽
さだまさし
渡辺俊幸
美術
金田克美

出演者

俊亮
加藤剛
お民
高橋恵子
次郎(10歳)
伊勢将人
次郎(6歳)
樋口剛嗣
喜さぶ
永島敏行
東医師
中谷一郎
宗太郎
高松英郎
勘作
井川比佐志
恭亮
芦田伸介
おなか
山岡久乃
お浜
泉ピン子
祖母
大塚道子