君も出世ができる

君も出世ができる

1964年 東宝
カラー/シネマスコープ
モノラル/100分

解説

東京オリンピックの時代を背景に、外国の観光団を自社に引き寄せようとする観光会社の争いをユーモラスに描いた本格的なミュージカル・コメディ映画。演劇の興行を母体とする東宝ならではのミュージカルだが、お得意のサラリーマン喜劇の要素も加味されているのは興味深い。監督の須川栄三は、出世の希望に燃えるフランキー堺といつも優柔不断な高島忠夫というコンビを軸に据え、さらに益田喜頓といった芸達者をからませながら、よどみのない、厚みのある物語世界を生み出した。ダンスの振付、音楽の構成、舞台装置、編集などあらゆる面で本場ハリウッドのミュージカル・コメディを研究した様が窺えるが、作曲面では登場人物のキャラクターごとに曲調をくっきり使い分けるなど、細かい工夫が随所になされている。とりわけ、雪村いづみ扮する社長令嬢に導かれて、オフィスで事務員たちが繰り広げるダンスのシーンは出色の出来映えであろう。

スタッフ

脚本
笠原良三
井手俊郎
監督
須川栄三
撮影
内海正治
照明
高島利雄
録音
刀根紀雄
音楽
黛敏郎
振付
関矢幸雄
作詞
谷川俊太郎
美術
村木忍
竹中和雄

出演者

山川善太
フランキー堺
中井剛
高島忠夫
社長 片岡信吾
益田喜頓
娘 陽子
雪村いづみ
三田良子
中尾ミエ
服部紅子
浜美枝
大森課長
有島一郎
総務部長
藤村有広