野菊の墓

野菊の墓

1981年 東映=サンミュージック
カラー ビスタ モノラル 91分

解説

歌人として知られる伊藤左千夫の原作小説を、詩情豊かに描いた澤井信一郎監督の第1回監督作品。旧家のいとこ同士である民子と政夫、若い二人のほのかな恋と周囲の無理解による別れ、そして民子の死と続く哀切なこの物語は、1955年に木下恵介監督が回想形式に工夫をこらしたユニークな手法で映画化した『野菊の如き君なりき』が有名である。本作はその3回目の映画化だが、澤井監督は当時人気絶頂の松田聖子から「アイドル歌手」の雰囲気を見事にぬぐいさり、彼女の素顔の魅力を導きだしている。新人とは思えぬ円熟した演出力は、黙って嫁いでいく民子に無言で花を捧げる政夫という、いわば運命を受け入れる二人の姿をとらえた印象的な場面にもあらわれている。マキノ雅広監督の助監督を長くつとめ、情緒を重んじた巧みな演出には定評がある。

スタッフ

原作
伊藤左千夫
脚本
宮内婦貴子
監督
澤井信一郎
製作
高岩淡
相澤秀禎
撮影
森田富士郎
照明
梅谷茂
録音
林鉱一
音楽
菊池俊輔
美術
桑名忠之

出演者

民子
松田聖子
政夫
桑原正
巡礼の老人
島田正吾
斎藤きく
加藤治子
長男 喜一郎
村井国夫
妻 初子
赤座美代子
お増
樹木希林
常吉
湯原昌幸
斎藤豪三郎
丹波哲郎
戸村新吉
愛川欽也
妻 せい
白川和子