にごりえ

にごりえ

1953年 新世紀映画社=文学座
白黒 スタンダード モノラル 130分

解説

1937年に創設された文学座が、戦後その全盛期を迎えるにあたって発案・製作された作品。夭折した明治の女流作家・樋口一葉の晩年の短篇小説「十三夜」「大つごもり」「にごりえ」を原作に三話構成のオムニバス形式を採り、当時新鮮な現代劇で注目されていた今井正監督が、京都映画撮影所(旧松竹下賀茂撮影所)で完成させた。役者の緊張を強いる簡潔なセットの中で徹底したリハーサルが繰り返され、微妙な計算により作り出された明治の光と闇の中に、過酷な状況を生きざるをえない女たちの一瞬が捉えられている。この年、今井監督は大ヒット作『ひめゆりの塔』も演出しているが、「キネマ旬報」ベストテン では『にごりえ』が第1位、『ひめゆりの塔』が第7位に選出されている。

スタッフ

原作
樋口一葉
脚色
水木洋子 井手俊郎
脚本監修
久保田万太郎
監督
今井正
製作
伊藤武郎
撮影
中尾駿一郎
照明
田畑正一
録音
安恵重遠
音楽
団伊玖磨
美術
平川透徹

出演者

第一話「十三夜」
 
斎藤もよ
田村秋子
娘 原田せき
丹阿弥谷津子
父 主計
三津田健
俥夫 高坂録之助
芥川比呂志
第二話「大つごもり」
 
みね
久我美子
叔父 安兵衛
中村伸郎
山村あや
長岡輝子
安兵衛の妻 しん
荒木道子
山村石之助
仲谷昇
第三話「にごりえ」
 
お力
淡島千景
源七の妻 お初
杉村春子
結城朝之助
山村聡
源七
宮口精二