秋津温泉

秋津温泉

1962年 松竹
カラー シネマスコープ
モノラル 112分

解説

女優の岡田茉莉子が自らの100本記念作品として企画した藤原審爾原作の映画化で、『ろくでなし』(1960)により松竹ヌーベルバーグの旗手として颯爽と登場した吉田喜重にとっては、監督4作目にあたる。敗戦の年の夏、山間の湯治場に自死の場を求めてやってきた東京の学生・周作と、命を救ったことをきっかけに周作に惹かれていく旅館の娘・新子との間の17年に及ぶ愛と挫折の軌跡に、戦後日本人の精神史をダブらせながら綴ったメロドラマの傑作。これまでの作風とはうって変わり、男女の情念の世界を正面から描いた本作は、吉田監督にとって大きな転換点であるとともに、主演の岡田茉莉子と1964年に結婚、同年松竹を退社し、その後二人で現代映画社を設立するに至ったきっかけともなった作品である。松竹時代に監督した6作品すべてで撮影を務めた成島東一郎による、清流のように美しい画面が作品全体に崇高な気品をもたらしている。

スタッフ

原作
藤原審爾
脚本・監督
吉田喜重
製作
白井昌夫
撮影
成島東一郎
照明
田村晃雄
録音
吉田庄太郎
音楽
林光
美術
浜田辰雄

出演者

新子
岡田茉莉子
河本周作
長門裕之
三上
山村聰
松宮謙吉
宇野重吉
般若寺住職
東野英治郎
お澄
小夜福子
お民
日高澄子
陽子
芳村真理