野火

野火

1959年 大映(東京)
白黒 シネマスコープ モノラル 104分

解説

「俘虜記」や「レイテ戦記」など、戦後の戦争文学に大きな足跡を残した大岡昇平の同名小説を映画化したものである。戦争末期のレイテ島の戦場。食料難のため部隊からも病院からも見捨てられた主人公。さまよううちに知り合った二人の敗残兵。その一人は猿の肉だと称して人肉をすすめる。それに気付いた時に自分も殺されそうになり、逆に相手を殺してしまう。映画化にあたって市川崑監督は次のように述べている。「大岡さんは原作の中で、大変大きなテーマとして神を登場させている。……映画ではむしろ神の問題を全部なくすことによって神を感じさせられる……だから原作では主人公が人肉を食うけれど、映画では食わない。……そこで人肉があまりに固いために歯がボロリと欠けるという具合に書き変えた。歯が欠ける、これが映画ではないだろうか」。ブラック・ユーモアを得意とし、才気煥発な監督ならではの弁である。「キネマ旬報」ベストテン第2位。

スタッフ

原作
大岡昇平
脚本
和田夏十
監督
市川崑
企画
藤井浩明
撮影
小林節雄
照明
米山勇
録音
西井憲一
音楽
芥川也寸志
美術
柴田篤二

出演者

田村
船越英二
安田
滝沢修
永松
ミッキー・カーチス
兵隊1
星ひかる
兵隊2
月田昌也
曹長
潮万太郎
不精ひげの軍医
石黒達也
兵隊A班長
稲葉義男
狂人の将校
浜村純
分隊長
伊達信