用心棒

用心棒

1950年 大映(京都)
白黒 シネマスコープ モノラル 110分

解説

ダシール・ハメットのハードボイルド小説『血の収穫』を大胆に翻案、西部劇の手法を取り入れながら、三船敏郎演じる浪人の痛快無比な姿を描いた黒澤明による大ヒット時代劇。舞台は上州、かつて絹市で栄えた宿場町も、今や跡目を巡る清兵衛一家と丑寅一家との抗争で、無法地帯と化していた。見回りの役人も、賄賂片手に見て見ぬふりの始末。そんな宿場に流れ着いた凄腕の浪人、自称・桑畑三十郎は、居酒屋の親父に一部始終を聞かされ、両家の親分に自ら用心棒として売り込みながら、彼らを手玉に取っていく。喧騒のさなか、狂犬のような丑寅の弟・卯之助が町に戻ってきた…。撮影は、東宝撮影所横の農地に巨大なオープンセットを建て、『羅生門』(1950年)以来の黒澤組となった宮川一夫キャメラマンが、複数のキャメラと望遠レンズを駆使し、シネマスコープの画面を意識した見事なフレーミングで、比類のない娯楽活劇に仕立て上げた。黒澤は翌年、続篇となる『椿三十郎』を発表。海外でも評判を呼び、盗作騒ぎも起きた『荒野の用心棒』(1964年、セルジオ・レオーネ監督)は、主演クリント・イーストウッドをスターへと押し上げるとともに、イタリア製西部劇(マカロニ・ウェスタン)のはしりとなった。本作の成功により、黒澤は世界のKUROSAWAの位置を不動のもとにした。「キネマ旬報」ベストテン第2位。

スタッフ

脚本・監督
黒澤明
脚本・製作
菊島隆三
製作
田中友幸
撮影
宮川一夫
照明
石井長四郎
録音
三上長七郎
下永尚
音楽
佐藤勝
美術
村木与四郎

出演者

桑畑三十郎
三船敏郎
新田の卯之助
仲代達矢
めい
司葉子
清兵衛の女房おりん
山田五十鈴
卯之助の次男亥之吉
加東大介
馬目の清兵衛
河津清三郎
造酒屋徳右衛門
志村喬
百姓の小倅
夏木陽介
居酒屋の権爺
東野英治郎
名主多左衛門
藤原釜足