近松物語

近松物語

1954年 大映(京都)
白黒 スタンダード モノラル 102分

解説

1952年に『西鶴一代女』で世界的注目を浴びた溝口監督は、『雨月物語』と『山椒太夫』によって翌53年、54年と相次いでヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した。日本の古典文学を題材にして秀作を発表し、独自の様式美をもって世界的名声を獲得した溝口は、今度は近松門左衛門の人形浄瑠璃「大経師昔暦」を映画化することになった。この原作は、歌舞伎では「おさん茂兵衛」として知られているが、それに井原西鶴の「好色五人女」から「おさん茂右衛門」の話を付け加えている。商家に嫁いだ若妻が、わがままで好色な夫を諫めるために芝居を仕組むが、ちょっとしたはずみから使用人との不義密通の汚名を着せられ、のっぴきならぬ状況へと追い込まれてしまう。しかし二人はその逃避行の中で真実の愛に目覚め、捕まって処刑場におもむく彼らの表情は晴れ晴れとしたもので、その毅然とした態度は見物の人々を驚かせる。「キネマ旬報」ベストテン第5位。

スタッフ

原作
近松門左衛門
劇作
川口松太郎
脚本
依田義賢
監督
溝口健二
製作
永田雅一
企画
辻久一
撮影
宮川一夫
照明
岡本健一
録音
大谷巌
音楽
早坂文雄
美術
水谷浩

出演者

茂兵衛
長谷川一夫
おさん
香川京子
お玉
南田洋子
以春
進藤英太郎
助右衛門
小沢栄
源兵衛
菅井一郎
道喜
田中春男
以三
石黒達也
おこう
浪花千栄子