蜂の巣の子供たち

蜂の巣の子供たち

1948年 蜂の巣映画部
白黒/スタンダード/モノラル/84分

解説

清水宏監督は、スター俳優を使ってメロドラマを撮っているよりは、子供や風景を自然のままに写しているほうが良いと考えていた。そんなこともあって、戦後、戦災孤児を引き取って自宅で面倒をみていたが、彼らを登場人物に何か作ろうと思いたち、蜂の巣プロを起こして、本作を製作した。下関に降りたった復員兵は、自分が育った非行少年の更生施設「みかへりの塔」へ帰ろうと、広島、神戸と山陽道を歩いて行く。戦禍の傷跡も生々しい街角や路上で、孤児たちや若い娘の引揚者などと出会い、さらに旅を続けていく。全篇ロケーション撮影、出演者もすべて素人といった素朴さのうちに、朴訥としたこの監督特有の味わいと時代を見つめる目がある。「キネマ旬報」ベストテン第4位。

スタッフ

脚本・監督
清水宏
撮影
古山三郎
録音
杉山政明
金谷常三郎
音楽
伊藤宣二

出演者

復員者
島村俊作
引揚者
夏木雅子
叔父貴という男
御庄正一
医師
伊本紀洋史
工場主
多島元
戦災児 晋公
久保田晋一郎
 〃  豊
岩本豊
 〃  義坊
千葉義勝